◆サイレントクーラーラックとは?
当社従来製品の19インチサイレントラック(静音ラック)にラックマウントクーラーを内蔵し、より高い放熱性能と静音性能を同時に実現したシステムラックです。【ラック、クーラー仕様一覧へ】
◆オフィスや教室等に設置するだけでサーバーの最適冷却と騒音カットを同時に実現
サイレントクーラーラックは1台で空調問題を解決します。「騒音を最大28dBカット ※1」「放熱量最大6100W※2」を同時に実現したHPC(High Performance Computing)にも対応した19インチラックです。オフィスフロアへ設置しても、安心してサーバーラックとして運用していただけます。
※1内部騒音との比較によるチャンピオンデータです。
※2ファンの回転数をハイモードで稼動させた場合のラック内許容温度とラック外周辺温度の差Δt15℃の条件における計算値です。
※ローモード稼動時は最大4600Wまで対応可能です。
◆環境問題対策にも寄与するエコな19インチラック
クーラーはラック内の温度をセンサーで感知して自動で冷却/送風が切り替わるため、電気代の節約に貢献します。
また消費電力は内蔵ファン+ラックマウントクーラー合計でクーラー冷却時645W/760W(50Hz/60Hz)、クーラー送風時107W(50Hz/60Hz)のためとてもエコです。
高性能ドレン気化処理ユニットを搭載したクーラーにより、外気温35℃、湿度70%の時においても完全なノンドレンを実現しました。
◆各部名称※画像をクリックで拡大
19インチラックとして必要な性能も備えています
- ●チャンネルベース(H50mm)が標準装備です
- ●静荷重1000kg/耐震荷重450kg
- ●冷気の回り込みを防ぐため、機器搭載のないユニットには、ブランクパネル(オプション)の取り付けを推奨しております
- ●EIA規格(EIA-310-D)準拠。マウントアングル4本が標準装備です。背面側のみ10mmピッチで移動が可能です
- ●標準色:ホワイトグレー(マンセル値N8.5 レザーサテン塗装)
■従来のラックでは解決しにくかった2つの課題
サーバー機器の音は思った以上に「うるさく」「不快」に感じられるものです。特にオペレーターや作業者の近くにサーバーラックを設置する場合は強力なファンによる騒音がストレスとなり、作業効率が低下、業務に支障をきたす恐れもあります。
設置と移動
多くのケーブルを収納しているサーバーラックは耐震固定されているものが多く、設置して一度システムが作動してしまうとラックの移動が困難なため、問題の解決に時間がかかります。設置前の検討が必要です。
出費のかさむサーバールーム設置
騒音対策としてサーバールームの設置という方法もありますが、パーティション壁やOA床、消防設備、空調設備など移転時の原状回復費用が必要になります。また、入退室管理や監視カメラなどのセキュリティや空調ランニングコストも考える必要があります。
一般にサーバーの許容周囲温度は10~35℃で、最適な室温は20℃前後かつ湿度40~60%程度とされています。サーバーラックをオフィスに設置する場合、人が快適に過ごすための温度環境とサーバーの冷却に必要な温度環境が合わないことが多くあります。
難しい放熱措置
冷却ファンなどの放熱措置だけでは室温が高い時や風が行き渡らないところなど、周囲温度のばらつきにより発熱量の多さに対応できないことがあります。また、サーバーを複数台設置している場所ではほかのラックからの放熱を吸い込んでしまい、十分な放熱効果を得られないことがあります。また、人のいない休日や夜間にサーバー用に空調をかけ続けるにはランニングコストの問題があります。
結露とドレン水
エアコンなどによる局所冷却は温度調節ができないため、冷気が機器を結露させて大切なデータを損傷してしまうことがあります。人のいない休日でも排水処理が必要で、さらに発生するドレン水による万一のトラブルに備えた安全対策も欠かせません。
騒音・放熱による課題発生環境イメージ ※画像をクリックで拡大

⇒これらの課題をサイレントクーラーラックを設置することで同時に解決
蓄積されたデータを基に一層の検証を重ね、これまでの静音ラックの構造を徹底的に見直し、さらに使用部材の改良等を進めました。こうして誕生した「YCRHシリーズ」では、高い密閉度を誇るラック構造と内部の吸音材で、サーバーが発生する騒音の28dBカットを実現。騒音を半減させたと評価された従来モデルの22dBカットから、さらに大幅な静音性能の向上を達成しました。

内蔵されたラックマウントクーラーは高性能のファンにより、サーバー吸気部へ冷気を確実に供給。また、搭載した高性能温湿度センサーによってラック内の温度と湿度を常時検知し、コントローラーにフィードバックして運転状態を制御するので、サーバーラックの大敵となる結露も防止。今日のサーバーラックの発熱量の増大に対応して求められるより高い熱対策性能を発揮し、パワフルな冷却を実現します。
エアーフローイメージ※画像をクリックで拡大


高性能ドレン気化処理ユニット
クーラーによる熱交換時に出るドレン水は、ラックマウントクーラーに搭載した高性能ドレン気化処理ユニットが自動的に処理するので、面倒な排水作業や配管工事の必要はありません。外気温度が35℃、湿度70%時においても完全なノンドレンを実現し、さらに、3段階のフェーズを想定した万全の安全機能も搭載しています。
フェーズ1 通常時
ドレン気化ユニットで気化・加熱コイルにて気化を促進
フェーズ2 ドレン水量増加時
水量センサーAが検知、小型ポンプがドレン水をくみ上げ、特殊気化フィルタの上部より気化を促進
フェーズ3 危険水域時
水量センサーBが検知、クーラー運転停止


AC100V電源
入力電源はAC100V仕様。プラグは通常の2極平行アース付コンセントに対応。室内のコンセントから容易に電源が取れます。別途電気工事の必要も無く、即使用が可能です。
1Uサイズコントローラー
サーバーラック内の温度を検知し、適正な温度を維持、制御します。ラック本体の動作状況を確認する自己診断・出力機能により、リアルタイムで運転状況を確認できます。ラックマウントクーラー本体の異常発生時には21種類の警報を出力、15種類の注意でメンテナンス時期をお知らせします。

※外観・仕様等は予告無く変更する場合がございます。